一人ひとりが花開く“よこすか”へ
日本共産党横須賀市議会議員

大村洋子

おおむら ようこ

議会

横須賀市議会・予算議会・日本共産党議員団・反対討論全文

2016年3月25日
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第1回定例会・予算議会終わりました。今日、最終日、異例の夜8時過ぎまでかかりました。

国の「地方創生加速化交付金」に横須賀市も手を挙げましたが、提案した2件の事業がどちらも採用されませんでした。

これもかなりびっくりな出来事で、この件を巡って5人の議員が緊急質問を行いました。

 

私たちとしては市長提案の議案の12議案について反対しましたので、その理由を討論の中で意見表明しました。以下はその内容。討論時間は15分しかないので、削って削って、せっかく練り上げて書いたのに4分の1くらい削りました。後日、削った内容も書きたいと思いますが、今日はとりあえず、議事録に正式に載る部分のみです。

 

日本共産党の大村洋子です。会派を代表して市長から提案のありました議案のうち12議案について反対の立場で討論いたします。

はじめに2016年度一般会計予算に関連して述べます。

代表質問でも展開したとおり「格差と貧困」がますます広がり日本の相対的貧困率は16%を超え、特にひとり親世帯の貧困率が顕著です。子どもの貧困6人に1人もすでに使われて久しく、「子ども食堂」「フードバンク」も広がっています。

一方でフォーブス誌が集計した「日本の富裕層リスト」によると富裕層上位40人の資産総額は2012年の7.2兆円から15年には15.9兆円2.2倍に急増しています。まさに「アベノミクス」は格差と貧困を助長し、二極化を固定したと言っていいでしょう。先日行われた「国際金融経済分析会合」ではノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ氏が来年4月の消費税率10%への引き上げを見送ったほうがよいと提言されました。日本の現状を見るならば、この提言は全く賢明だと思います。

横須賀に目を転じれば、吉田市長就任時から今に至るまでに生活保護は受給者も世帯も1000ずつ増えています。つまり、端的に言えば、何をさておいても、市民生活を支援する施策を優先させることが市政の最大任務と言えます。

しかし、市長は企業等立地促進事業で、資力のある大企業に巨額の奨励金を交付するおつもりです。私たちも企業の誘致は大切との認識を持っていま。しかし、市内雇用が見込めず、しかも自力で充分事業展開できる企業になぜ、奨励金を交付する必要があるのでしょうか。過去に帝国データバンクが行ったアンケートによれば、企業が立地先を決定する要因の1位が市場に近いこと2位が地価3位が用地面積の確保が可能かと言う点であり、奨励金等の助成は7位でした。これでは奨励金交付に道理はなく市民からは納得されないでしょう。私たちは、到底認めることはできません。

子育て施策はどうでしょうか。

今回、市長は3回の試行とアンケート結果から、自らの公約である「スクールランチの充実」を諦め「中学校完全給食」へと方向転換されました。また小学校3年生まで35人以下学級にすること、スクールソーシャルワーカーの増員、さらに、婚姻歴のないひとり親への控除みなし適用の施策の提案もあり、これらは評価できるところです。

一方で、中学校の少人数学級への移行、高校生への奨学金支給問題、学童保育は一部前進面もありながら、現場のニーズに応えたとは言い難く、大きな世論となっている保育園の待機児も解消されていません。

 子どもを主役にしたいというなら、イメージだけではダメです。子育て世代が、本当に自分たちを応援してくれている、市政は頼りになると実感できる施策を打つことが大事です。

 さて、基地の問題についても触れなければなりません。市長は施政方針の中で、原子力空母の交代とイージス艦の増強配備に触れ、「円滑な情報伝達の確認」、「安保条約に基づく措置であり日本の平和と安全に重要である」とさらりと述べていました。しかしことはそんなに簡単な話ではありません。市長ご自身がホームページに書いていらっしゃるように、「横須賀基地における艦船の増隻は実に1992年以来」の23年ぶりです。明らかに「基本構想、基本計画における可能な限りの米軍基地の返還」から大きく乖離する出来事と言わざるを得ません。

昨年9月19日政府は憲法違反の安保関連法を強行採決し、今月29日に施行することを閣議決定しました。このような客観的情勢においての横須賀基地の機能強化は日米軍事同盟の強化そのものであり、横須賀がテロの標的にされる可能性が増すことを意味しています。米軍の報復戦争、侵略戦争の出撃拠点の永久化を意味しています。安保関連法についての政府の考え方は、「安全保障環境が厳しくなっているので、抑止力として必要である」というのが大方の考え方だと思いますし、市長のお考えもこの流れだと思います。一方で、強行採決から半年が過ぎましたが、反対の潮流の勢いは縮減するどころか、「学者の会」「ママの会」など各層の方々が独自の運動を展開しそれらが繋がりはじめています。このような激動している情勢を目前にして、基地のまちの市長として、政府の言うことをすんなり受け入れる今まで通りの従順な態度でいいのでしょうか。

また、イージス艦の増強配備によって、米軍が約1000人増えます。2006年出勤途中の女性が米兵によって殺害されるという事件がありました。総務常任委員会では当時と違って、米兵の生活環境の改善や教育訓練がおこなわれているとの答弁でしたが、はい、了解ですとは言えません。よく、犯罪を起こしてはならないのは、米兵も横須賀市民も同じです。しかし、両者を同列に考える論調がありますが、それは全く違います。なぜならば端的に言って、米兵は日米地位協定によって守られているからです。容易に日本側が拘束、逮捕、裁判が出来ない特別な存在です。ほとんどの米兵は「良き隣人」かもしれませんが、このような特権的な扱いを背景にもち、いざ、犯罪が起これば米兵は基地の中に逃げ込んで、横須賀市民が泣き寝入りをせざるを得ない状況になるやもしれぬということを、私たちは肝に銘じなければなりません。

また、先日、報道ステーションというニュース番組の中で、ドイツのワイマール憲法下におけるナチスドイツ・ヒトラーの蛮行が教訓として放映され話題となりました。内閣に絶大な権能を持たせる「緊急事態条項」についての内容でした。これは国政の問題だから、市議会の中で論ずるものとは違うと言って除外の対象にすることはできません。なぜならば、緊急事態条項は「地方自治体の長に対して必要な指示を出すことができる。」という内容も含まれ、米軍基地、自衛隊の各施設、防衛大学校など様々な外交・防衛に関する組織が集中する要所である本市は、一番に名実ともに国の支配下に置かれる危険性があるからです。

縷々述べてまいりました。安保関連法の強行採決、施行という流れの中で、日米安保条約の要の地である横須賀の首長は、他の首長とは比べ物にならないほどの緊張感が必要です。本来であれば、平和首長会議に加盟することを明言された市長は、米軍基地の機能強化、関連する安保関連法の廃止こそ態度表明されるべきだと私たちは考えます。

基地問題の最後に避難基準、避難範囲の問題についても触れておきたいと思います。現在、原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会が開かれておりますが、市長は何も要望をしないばかりか、市民団体が提出した要請書についても検証作業は国が行っているものだからといって、検討を求めることも拒否しました。

また、今回の改定は、福島の原発事故の後、初めてのものですが、米国から原子力艦の原子炉についての新たな情報提供も求めないで、旧態依然の情報に基づいて検討が進行していることが先日の参議院の委員会で明らかにされました。

市長は知見がないといって待ちの姿勢ですが、専門的知見がなくともできることはいっぱいあります。黙っていれば結論を押しつけられ、国の言いなりになるだけです。市民の安全・安心を守るのは、市長の重要な責任です。国の問題であっても言うべきことはキッパリ言うという姿勢を市長には強く求めたいと思います。

一般会計予算に関連する内容として新ごみ処理施設建設事業についても触れておきたいと思います。

人口減少が進み、公共施設の維持管理費用が問われているにも関わらず、市は依然として大規模な焼却施設の建設工事事業を進めようとしています。資源循環部がゴミのリサイクル・資源化を進めてきたのは承知しているところですが、一方で生ごみ減量化に力を入れていく姿勢がまだまだ希薄だと言わざるを得ません。市民一人あたりの生ごみ排出量を110グラム減らせば約6億円のコスト削減になるということを、すでに昨年の第4回定例会一般質問でねぎしかずこ議員が明らかにしています。私たちは優れた生ごみ処理器である「キエーロ」の普及を強めることを提案してきました。市長も「12月上旬に届くので実際に使ってその結果を市民に伝えたい」と以前に答弁されていました。この際、人口減少とごみ減量化の市民意識の醸成を考えて、施設規模について再考するべきと指摘しておきます。

次にマイナンバー制度についてです。情報漏えいのリスク、「なりすまし」などの犯罪、国による国民の一元管理の問題、現場自治体への理不尽な財政出動と煩雑な事務作業の押し付け、このように市民、自治体双方に混乱が浮き彫りになっています。他方、「マイナンバー特需」と言われているように、システム委託などでIT関係企業はそのマーケットが3兆円とも言われています。市民と自治体には負担ばかりを押し付け、システム関連企業には莫大な利益が流れるこのようなマイナンバー制度を認めるわけにはまいりません。以上が議案第15号一般会計予算に反対する理由です。

次に国民健康費予算についてです。2018年度から、都道府県が市町村に代わり財政運営の責任主体となって国保運営の中心的な役割を担う予定となっています。しかし、これによって決して国保の構造問題が解決されるわけではなく、私達は、このような国民健康保険の広域化には反対です。2016年度予算はそれに向けた流れの中の予算立てであるため賛成できません。また、後期高齢者医療費予算が関連しますので、合わせてこちらも反対いたします。

次に介護保険費予算についてです。要支援1と2の通所介護・訪問介が保険給付からはずされ、市町村の総合事業に移行されました。この流れの中で介護を受けられない方や介護サービスの低下がうまれることを私たちは強く危惧しています。また関連して行われる措置であるところの、小規模通所介護事業を地域密着型サービスに移行することに伴う議案となる第45号から49号までの5議案も合わせて反対といたします。

次に病院事業会計予算についてです。

市立病院には、地域包括ケア支援病棟が設けられることになり、さらに高齢者向けの医療の充実が図られようとしています。高齢者医療の充実や病棟の再開そのものは良いことです。しかし、指定管理者に移行しても、直営で行っていた機能を維持するとしていた当初を鑑みるならば、なし崩し的にうわまち病院との機能分担を進めることは許されません。双方の病院の今後のあり方は、それぞれの地域住民をはじめとする市民からの納得が必要と思います。したがって以上の理由から反対といたします。

次に議案第26号横須賀市職員の降給に関する条例制定についてです。ご承知のとおり公務員は労働基本権が制約されています。この条例の制定は国の法改定がもとになっているものですが、私たちは公務員にはしっかりした保障の中でしっかり働いていただきたいという立場ですので、この議案は反対といたします。

 最後に議案第37号保育園条例中改正についてです。

これは、市立保育園の保育料の上限額をあげようとするもので、低所得世帯などへの影響はないものです。しかし、諸外国では、保育料の無償化に向かっておりますし、公の役割を、上限金額の設定にも貫いてほしかったと思います。

また、子ども子育て支援新制度の保育料の上限額をそのまま公立の保育園にも持ち込む今回の措置は、公立の保育園を民営化しようとする市の保育園再編計画を見据えての措置とも受け取れるもので、納得できません。したがって反対いたします。以上、12議案についての日本共産党市議団の反対討論といたします。

久里浜行政センター前の花 (2)